銀河鉄道の父

とても悲しかった。

役所広司菅田将暉、森七菜が、みな素晴らしかった。

おじいちゃんの死に対して、ビンタとともに「綺麗に死ね」ということが、愛情であることが衝撃的なシーンだった。

 

丈夫な身体で、誰かのために生きたいと願うこと。ろうそくでランプをつけて、物語を一字一字、大事に読み上げながら楽しむこと。自分は何者かと問い続けること。人の死を、自分の信じる心で送りたいということ。

この時代に忘れかけられているような、そういう当たり前の願いで満ちていて、そういう人だったからこそ、「アメニモマケズ」ような詩を書くことができたんだろうな。

何もかもが今よりもリアルだった時代。画面を眺めながら、人の悲しみばかりに涙している自分が少し悲しくなってしまった。