銀河鉄道の父
とても悲しかった。
おじいちゃんの死に対して、ビンタとともに「綺麗に死ね」ということが、愛情であることが衝撃的なシーンだった。
丈夫な身体で、誰かのために生きたいと願うこと。ろうそくでランプをつけて、物語を一字一字、大事に読み上げながら楽しむこと。自分は何者かと問い続けること。人の死を、自分の信じる心で送りたいということ。
この時代に忘れかけられているような、そういう当たり前の願いで満ちていて、そういう人だったからこそ、「アメニモマケズ」ような詩を書くことができたんだろうな。
何もかもが今よりもリアルだった時代。画面を眺めながら、人の悲しみばかりに涙している自分が少し悲しくなってしまった。