風の影
小説、風の影を読んだ。上下巻の長い小説である。スペインの作家、カルロス・ルイス・サフォンの代表作。
実は最初にスペイン語の原文を買って、表現の複雑なところが理解できないのがはがゆくて、途中で日本語で読んでしまった。
こんなにも奥が深くて、壮大なストーリーだとは思わなかった。そして日本では書かれえないような描写、キャラクター、言葉の表現がときどきとてつもなく味わい深かった。
とくに、フェルミンという人物が、とっても魅力的だった。どんなときも、独特の言い回しで、なんだかんだ明るい。
気配をまわりに溶け込もうとするのではなく、そこにいるだけで、空気全体がぱっとその人の色に染まってしまう、そういう人にやっぱり憧れてしまうな。
ミステリー要素あり、恋愛も歴史小説でもあり、青年の成長物語でもあり、本への愛が伝わり。スペイン語をやっていたから、この本に出会えたことが嬉しい。スペイン語で、読み直したい。
お気に入りの言葉メモ
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一瞬一瞬この目で捉えることができる間だけ光は存在する
心の命ずるままに、言葉が言えそうな度胸がわいた
何かを感じ取るのに、それを理解する必要はない
万年筆を息子に買ってやれない男のイメージだ
フィクションの世界や人の描いた夢の中に、ぼくはいつでも彼女とふたりで逃げ込むつもりでいた
忘れれば忘れるほど、よけいに賢くなったかのように感じながら
わたしたちはいったい何者になりさがったのかと己に問わずにはいられないだろう
フィクションの世界や人の描いた夢の中に、ぼくはいつでも彼女と二人で逃げ込むつもりでいた
忘れれば忘れるほど、よけいに賢くなったかのように感じながら