JUNO

映画、JUNOを見た。

なんたって、主人公とその友達が魅力的だった。自分の目で人のことを見つめて、自分の好きなものを主張する。一般的にはださいと言われるような人、おかしいと言われるようなこと、堂々と、奔放に、自分の言葉で、自分の責任で動いていく。自分が十分に大人でないこともわかっている。独特のセンス。退屈すぎてどこまでもいける感じ。

最後歌のシーンもよかった。

 

 

気になった言葉のメモ。

 

勧めた本、気に入らなくても私はよかった
魅力で勝負
何もしないのにステキ
お腹ではなく目を見てくれる

 

ひっこし

引っ越しといえば、

Helsinki Lamba Clubのバンドの「ひっこし」という曲が一番に思い浮かぶ。

 

ちょっとビートルズを彷彿とさせるような懐かしいメロディと、「ここで息ができないなら、海の底へひっこそうか」という提案が大好きである。

これがプロポーズの言葉なら、意味がわからないなりにも私は力強くうなずくであろう。

 

ところで、わたしは明日引っ越しである。両親がインドネシアに行くため、実家への引っ越しである。だいぶ紆余曲折の末の思いがけぬできごとだが、まあ突然大きな一軒家の家主になるのも悪くはないかなと今は思っている。

 

だけど今わたしは、明日の17時には完全に退去だというのに、ダンボールの山とごみ袋の数々と、ほこりまみれの床のお部屋の現実から逃げ出して、9駅も離れた駅のカフェで、心を落ち着けてこれを書いている。

 

今日だって朝から、粗大ごみに出せなかったふとんを一生懸命ちぎったり、机のねじを20本もドライバーで締めたり緩めたり、1年以上も封印していたお魚焼くところを強い決心の末あけてみたり、1年以上も前の焦げと時差のある格闘をしたり、とにかくたくさん働いたのであるが、ピカピカになったのはわが6畳のお部屋のほんの細部にとどまったのである。

 

こういうとき、私はひとりで途方にくれてしまう。いつもお仕事でちゃきちゃきとがんばっているのが嘘のようである。

こういうときのためにいるはずの恋人は(ぜったいにうそ笑)友達の結婚式で名古屋にいて、私はこのダンボールを前に、ひとり途方にくれてしまう。頭の中では、川崎真理子のdriving lazy ladyが鳴っている。そして私はそそくさと逃げ出してきたのであった。

 

明日で、まるまる2年間分の、きままな一人暮らしの思い出がつまった6畳ひとまとお別れである。別に誰に追い出されたわけでもなく、勝手に退去していくわけだが、明日の夜もあの部屋で、あの薄いおふとんで眠ることができないなんて、突然で、本当に不当なことのように思える。

 

なんだか長くなってしまったので、とにかく、町のみなさん、粗大ごみをたくさんちぎったり、分解したり、切り刻んだりして捨ててごめんなさい。

 

 

 

 

よっぱらい

ゆらゆらのよっぱらい

ぽかぽかのよっぱらい

いつもよりすこし、温度が高いのさ

 

くらくらのよっぱらい

ふわふわのよっぱらい

今日はなんだか言ってしまいそうさ

 

今まで誰も言えなかった本当のこと

この星の奥底に沈む真実

きみだけに打ち明けてしまいそうさ

ひそひそとふたりだけで話し合うのさ

そしてしみじみと2人で眠るのさ

 

翌朝にはまた平気なふりで

何事もなかったかのように

 

 

 

 

 

ちょっと思い出しただけ

ちょっと思い出しただけ、の映画を見た。

池松壮亮伊藤沙莉、どちらも魅力的。

 

会話のリズムが、独特。

何気ない会話の中で、どこにでもある、飽きるほど繰り返されるような会話の中で、

ふと、ああこの人しかこんなことをこんな風に言わない、ああこの人としか、こんなリズムや空気感でこんなやりとりにならない、という人や一言を見つけたとき、とても嬉しくなる。

どんなにいい人でも、リズムが合わない人は楽しくないんだ、残念だけど。

 

大好きなやりとりのメモ。

 

やっと会えた。

ここにいるよ?

眠っている間はしばらく会えなくなるから。

じゃあ夢で待ち合わせしよう。

夢のどこ?
夢の三丁目の5の1。

 


・サンタ、オフシーズンなのに大変
・私の方がいいと思ってるけどね
・愛なんて逃げ道
・目が舌打ちしてます

 

 

四畳半神話大系

ずっと前に、気になってた人からおすすめされて、ずっと気になって今になって読んでみた。

 

ちょっと長いけど、淡々とユーモラス。くだらないけど文章は知的。

 

万城目学の、鴨川ホルモーに通ずるような、学生の怠惰で意味がわからない日々のテーマが気楽。

 

好きで笑えた文章をメモ。

 

・おれは神々に対する怒りで震えた。
もっとすることはないのか。

・そんな昔のこと、忘れちゃった

・成就した恋ほど語るに値しないものはない

・大間違いのこんこんちき

・さびしくて消えちゃいそう

・文法的に破綻した英語を喋るくらいなら、栄光ある寡黙を選ぶ

・夜中にふとおもいたって猫ラーメンをたべにいける世界、これを極楽と呼ぶ

世界で一番明るい屋根

世界で一番明るい屋根、映画を見た。

 

ちょっと不思議で、とってもきれいな映画だった。

星ばあの、時間は気持ちよく使え、という言葉が印象的だった。

 

子どもの頃、はやみねかおる夢水清志郎シリーズを読んで、「赤い夢」を自分はいつまでも見るのだと強く思っていたのを思い出した。どこかで、こんなふうに、ちょっと不思議な出会いや出来事をいつまでも待ってしまっている自分がいる。

家族でも恋人でも友達でもないような深い関係を、とても大事に思っている自分がいる。

 

だれかと一緒に、夜の星々と明かりのついた家々の屋根を、一緒に黙って眺めたくなった。

 

さみしさ

「だれもいないからさみしいのではなく、

だれかがいないからさみしいんだよ。」

 

本当にそう思う。

 

1人でも、私は楽しくやってきた。

だけど、その時その場所に、きみがいてくれないことが本当にさみしい。

 

一緒に顔を見合わせて、その瞬間を確かめ合うことができなかったことが、今でも、とてもさみしい。